プロローグ
仕事柄、お医者様と死に方についてお話をする機会が多いので、ここで僕が考える理想の死に方について語ってみたいと思います。暗そうな話題ですけど、テンションアゲアゲでいきましょう。
ピンコロ
ピンピン生活していて、ある日突然コロッと死んでしまうことを言います。ググりましたけど出てきませんね。もしかしたら福岡県の方言の可能性?……しかし意味は伝わると思います。想像するに、脳卒中、急性心不全、事故、もしくは大動脈瘤破裂とかいう重大な血管の病気ぐらいかな〜。
脳系ピンコロ
重大な血管の病気と事故は省きます。周囲にもほとんどいませんので、絶対数が少ないということではなく、巡り合う確率が低いのではないかと思います。
そこで脳系ピンコロです。脳卒中は範囲が広く代表的なものは急性硬膜下血腫、急性クモ膜下出血、脳梗塞。脳梗塞は血管が詰まる病気で高い確率で発症を発見されてしまいますし、昨今の医療技術の進歩で死ぬことは減っているのではないかと思います。急性硬膜下血腫は最初に猛烈な吐き気が来ますので気持ち悪いでしょう。急性クモ膜下出血はバットで殴られたような派手な痛みに襲われるそうで、痛みに弱い人には耐え難い。僕的には脳系はパスでお願いしたいところです。
心臓系ピンコロ
急性心不全が代表的な病気ですが、急に心臓が止まってしまうと急性心不全と診断されてしまいますので、本当の理由は分からないこともあります。
突然心筋梗塞の話に飛びますけど、だいたい50歳になる前までに多くの人は一度は心筋梗塞の経験をお持ちだそうです。心筋梗塞は痛いんですって。世界三大疼痛って……嫌ですよね。
胆石も候補って……僕も胆石はやりましたけど、あの痛苦しさはもうゴメンです(と言っても胆嚢ないけどw)。
心臓系も痛みが伴いそうです。というより、病気って痛かったり苦しかったりするものですよね。
残される家族の心の準備は大切
急性クモ膜下出血は最初の一撃(と思われる)、心筋梗塞は30分で勝負がつきそうですが、それは死ぬ側の話で、死なれる側もたまったものではありません。ピンコロ系の死で一番悲しいのは、お互いに(特に死なれる側の)心の準備ができていないことです。僕は、父が急性硬膜下血腫で命が果てるギリギリのラインで助かってから2年2ヶ月間の時間をもらいました。少しずつ父の死に対しての心の準備ができたのです。また、叔父の死を迎えるにあたり、末期がんと知ってから7ヶ月間の心の準備期間をもらいした。死を迎えて悲しくはありましたが、息子として、また甥としてできることは全てやったという気持ちで晴れ晴れとしていました。時間をもらえたことについて本当に感謝したい。
現在の母はピンピン
現在83歳の母は、あちこち痛がってますが食事の準備もでき、トイレも自分で行っています。このままでいけばコロッと逝きそうですので、僕は少しずつ心の準備を始めています。僕ができることは僕がやる。例えば通帳の管理。これはある意味、母のプライバシーがなくなってしまうことと同義ですが、高齢になるとそういうことも仕方がないのかもしれません。通帳だけ1ヶ月に1回見せて、僕が悪いことをしていないことを確認してもらっています。母はその時こそ面倒臭そうにしていますが、自分のお金が何に使われているのか分からないことほど、不安に覚えることはありません。そういうストレスが素で認知症になったりするので、きちんと母の目で確認をしてもらっています。これも心の準備のひとつなのかもしれませんね。
エピローグ:僕の理想の死に方
やっぱりガンのイチオシで。膀胱がんは現在進行系で要注意観察状態ですから、膀胱ガンで死ぬ確率は低いでしょう。しかし、別なガンになる確率は恐らく他の人よりも相当高いはずです。なぜがガンがいいかというと
1.自分の心の準備をする時間をもらえること
2.家族の心の準備をする時間が作れること
3.そして「本当に痛くて苦しいのは最後の1週間と意外と短いうえのコントロールが可能であること(ガンによりますけど)」です
人それぞれの理想の死に方というのがあると思うのですが、
一番の問題は「理想通りにいかない」ことかもしれませんね。
では、また次回!
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