自分の親のおむつ交換をする為に

どんどん衰えていく親を見ていて、「近い将来、自分に親のおむつ交換できるかな?」と考えたことはありませんか?人生の中で健康寿命と言われるものの一つの基準が「自分でトイレに行けること」です。いずれ、それが叶わなくなり日が来ます。今日はそんな話題を取り上げてみましょう。
さて、僕の仕事は介護事業所の事務長。サラリーマン生活30年で営業をやっていたのは7年ぐらいで、それ以外をほぼ事務職で過ごしてきました。そんな経歴ですが、15ヶ月だけ介護職として介護の現場で働いていました。介護事業所での仕事は10年近くなりますが、この15ヶ月間はまさに高齢者(大事なことは他人ってこと)の(表現をきれいにw)排泄介助をしていました。

目次

まずは汚さを感じるか?

率直に言って、便なので汚いと思っています。排泄介助(に限らず全ての介助に言えますが)の前後は手洗いが必須。それから手袋をします。高齢者の身体に便が付着していることがほとんどですので、直接手が触れないようにするためです。感染症予防とかいろいろな役割がありますが、手袋をはめていても、できるだけ便には触れないようにします。これは二次的に(例えば汚れていない服とかを)汚さないためです。下痢をしていたり水様性の便だったりするとどうしても汚れますので、手袋も費用がかかっているわけですから無駄遣いは厳禁ですが、そのときは手袋をさっさと取り替えます。慎重にかつスピーディに処理をしなければなりません。 ということで、やっぱり汚いものは汚い。ただし、僕は「便を平気だと感じる」ほうが問題だと思います。汚いから、相手をまるごときれいにしようという意識が必要なのです。

臭いに慣れるのか?

便臭のことを言っていますが、これは慣れるとか慣れないとかいう問題ではないように思います。慣れない人は永遠に慣れないでしょうし、大丈夫な人は初日からなんともないと思います。徐々に慣れるという人もいますが、それは元々便臭に対して免疫があったのだと思います。子育ての経験があれば自分の子のうんちをれいにした経験があるでしょうから、免疫ができているかもしれません。さて、そんな具合ですから介護職初日で心が折れるのは臭いだと思います。それと、血の濃さと便臭の関係ですが、僕的には他人の便の方が平気です。ただし、それは人それぞれでしょう。ただ、基本的に排泄介助をしているときは部屋を閉め切るので、臭いが充満します。ひどい下痢の処理のときは、おむつ・パッド交換どころか全更衣介助やシーツ交換までやらなければならないので20分ぐらいはその中にいることが考えられますので、なかなか大変な仕事だと思います。

赤ん坊のおむつ交換との違い(介助技術について)

決定的な違いは相手の体重と体の固さです。相手の体重をコントロールするのはほぼ介助技術。人間の体の仕組みを理解した上で、どうすればどのように動きやすいかを頭の中に入れて介助します。力任せの介助はできるだけしないこと。大事なのは自分が楽であれば、相手の高齢者も楽だということです。時々、滝汗で介助している人がいますが、相手も大変だと感じていることでしょう。さて、軽い高齢者でも40kg程度はありますが、なんだかんだと意思が通じて多少力が入る(自力で少しでも動いてくれる)のであれば60kg程度の体重でもなんとかなると思いますが、ALSだと40kgの高齢者でも2人解除が必要かもしれません。とにかく相手が力を入れらないというのは驚くほどの筋力と体力を消耗します。
これに関節が固くなっていると言うか筋肉が固くなっていることがあります。人によっては「固さ」を通り越して、身体中が拘縮していることもあります。こうなると介助側が力の入れ方を間違えると、高齢者側の肉離れとか骨折につながりますので、さらに慎重にならざるを得ません。そしてスピーディー!汚れてしまって更衣が必要な場合は、健側(少しでも動く方)から脱いでいただき、患側(麻痺などがあって不自由な方)を通します。着るときは逆で患側から着ていただき、健側を通すことになります。拘縮がひどいと、どちらが健なのか患なのかわからないことがありますが、ちょっとでも動くほうが健側です。「ちょっと」とは1cm余計に動いただけでも健。
ということで、赤ん坊のおむつ交換と比べるとかなり重労働かつ技術が必要な作業と言えます。ただし技術に関して言えば、場数をこなせば確実に上手になります。

総じて考えると

自分の親のおむつ交換をしようと思うと、

1.臭いを克服する
2.体力と筋力
3.最初のうちの技術
4.最後にこれから取り上げる「自分の親」というハードルです

最後のハードルには2つあって、ひとつは「いつまでも自分の親はしっかりとしている」という思い込み。言い換えれば自分の親の加齢を受け入れられないといことなのですが、寿命と同じく時間をかけて少しずつ自覚していくことになります。ふたつ目のハードルは「自分の親の陰部」を凝視しなければならないということだと思います。きれいにしないといけませんから相当凝視します。ただ、凝視されている側は最初は嫌がりますが、いずれ回数を重ねていけば慣れます。僕の体験談で申し訳ないですけど、膀胱ガンで手術をすると、膀胱に尿を出す管を入れられるのですが、管を入れている間は「陰部洗浄」というのがあります。1日に1回看護師さんがお下を丁寧に洗ってくれるのですが、相当凝視されますので、もうめちゃくちゃ相当恥ずかしい。ただし3,4回で慣れます。なので介助される側はいずれ慣れるのです。あとは介助する側の気持ちの持ちようにかかっていると言えます。
なぜ、こんな投稿をしたのかと言いますと、今朝母親の排泄介助をしていたら会社に遅刻してしまいまして(^^ゞそういうこともあるんですよね。ちょっとした愚痴のような投稿です。それと、僕の仕事場のことを少しでも知っていただきたいと思いまして、介助の中でもいろいろな意味で一番ヘビーな親の排泄介助について取り上げてみました。
もし、介助について質問がありましたら、上のお問い合わせボタンからメールでお寄せください。プライバシーを尊重した上で記事にしてお応えしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

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この記事を書いた人

チームワークを得意とする介護業界に勤めるサラリーマン。Macで仕事をしていますが、それだけでモチベーションが上がります。時々、山に登ります。コタローという名の保護猫を飼っています。ゆったりマイペースで参りますので、よろしくお願いします。

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