以前、学習塾に勤めていたことがある。小学生から高校生までを対象としていたが、楽しく自らのためになるのは小学生だ。小学生からいろいろな質問が飛んで来るのだが、先生というのは悲しくも厳しい職業なので回答しなければならない。一緒に考えるということもアリだが、それは授業としてやる意義はあるが個別質問というのは即答が望ましいと思っている。
さて、そんな小学生からの質問でかなりハードルが高いものがある。それは大人が普通に使っている言葉が多い。それも生き方に関連しているものだ。「なぜ挨拶しなきゃいけないんですか?」貴方だったら小学校3年生女子の質問にどう答えよう?貴方はなぜ「おはようございます」や「さようなら」を使っているのですか?ということである。私はこう答えた…と言って教えない。実際に答えたのだが、この回答に100点満点はないだろう。ぜひ貴方らしい言葉を考えてほしい。
さて、本題の「頑張る」である。「頑張るって何ですか??」小学生はやっぱり質問してくるのだ。決して意地悪な質問ではなく純粋な気持ちで「頑張る」ということを先生に尋ねてきている。私はこう答えた。
「頑張るとは嫌なことに始めること。そして始めたらやめないこと。でも、やめてしまうこともあるだろう。そんなときには、また始めると心に決めること。そして始めること。そして、やめないこと。」
勉強が嫌な子が勉強を始めることが頑張ることだ。勉強し続けることが頑張ることだ。苦しくてやめてしまうかもしれないが、また始めようと心に決めるが頑張ることだ。そして心に決めたことを始めるのが頑張ることだ。そして勉強を続けることが頑張ることだ。どうだろう。これは小学生向け。大人向けの回答も用意している。「頑張るとは、心が折れないこと。それでも心が折れてしまうかもしれない。その時にもう一度立ち直ることが頑張ることだ。」心が折れるというのが小学生には難しいから、もっと分かりやすく伝えなければならない。
頑張るとは人が生きていく姿勢のことだ。生きていく中では、前のめりのときもあるだろうし、後ろ向きのときもあるだろう。後ろ向きの時に、優しい言葉をかけてほしくはないだろうか。一緒に歩き出そうと言ってほしくはないだろうか。立ち止まるのも時速ゼロという動きなんだと慰めてほしくはないだろうか。それが励ましだ。また頑張れるようになる。
頑張ることも必要だが励ましもあって良い。生きていく上で人に頼りたくなったら頼れば良い。頼って頑張れるのであれば、それは不幸なことでも何でもない。好きな人であれば、喜んで励ましたくなるものだ。こう考えると人(小学生が相手としても)に教えるというのは、自分の人生道場のようなものだと思う。自分に問うて自分で回答を導き出し自分で心に刻み、人に伝えていく。
小学生からの質問…馬鹿にできるものではないのでシリーズにしようかな(^^;
コメント