昨年、購入した13inch MacBook Pro 2016。
6月5日まで何の不満もなく稼働していた。いや…正確に言うならば、今でも完全動作する。日本時間6月5日はAppleのWWDCを翌日に控え、何が出るのかと世間の耳目を集めていた日である。その絶妙なタイミングで悲劇は起こった。 銀行の応接室。毎月初に開催される定例経営報告会が終了したタイミングで、私のMacBook Proは床に落下したのだ。アルミを削り出されて作られたボディはビクトモシナイ…なんてことはない!傷が入ってしまったのだ。よく見ると底の板も1mmほど浮いてるようにも見える。しかし、細かな検証は傷ついてしまったMacBook Pro以上に心が傷ついてしまう。急ぎ応急処置をした。
世界でよく言われるステッカーチューンというやつだ。これまで「何と下品な…」と思っていたのだが、ステッカーチューンを自分でやって気付いたことがある。これは滑り止めを兼ねている。落下後に気付いても後の祭りだ。サングラス猫と尻振りワンこの辺りに傷が入ってしまった。
その翌早朝、福岡から9,000km離れたカリフォルニア州ではAppleのWWDCが開催され、例年では考えられないほどのリニューアルハードの発表がされたのである。ド派手なiMac Pro。正統進化のMacBook Pro。新たな可能性を見出したiPad Pro。日本で売られるのか分からないがHome Podというものもあったが、その中で私の心をとりこにしたのがMacBookのリニューアルであったのだ。
2015年の登場以来、洗練されたデザインと割り切った拡張性。そして低いスペックに高い価格というアンバランスさを兼ね備えたコンパクトPC。色もシルバー、スペースグレー、ゴールド、ローズゴールドとiPhoneと全く同じ取り揃えである。薄型軽量でありながらフルサイズキーボードを備え、感圧式TrackPadで目を見張る操作性を実現させている。発表されたときから、もうちょっと高スペックなら最高のスーパーコンピュータになるのにと思っていたラップトップ。ちなみに真のスーパーコンピュータとはスペックが高いだけではない。スーパーコンピュータはそのUIにおいてもスーパーなのだ。つまり、驚くほど軽く、驚くほど使いやすい。その点で言うと、今スーパーコンピュータに一番近いのは同じタイミングでスペックアップされたiPad Proかもしれない。しかし、私の心はそれには素直に頷けなかった。iPad Proにはスーパーという言葉に欠けるものがあるのだ。それは「Excelの使い勝手が悪い」ということだ。私はExcelで仕事を進め、Excelで交渉し、Excelで未来を創造する。Excelの使い勝手が悪いというのは、私の中では「スーパー」ではない。
話を戻そう「もうちょっと高スペック」である。WWDCで発表されたMacBookは、その「もうちょっと高スッペク」で登場したのだ。モバイル用CPUを搭載しているが、その名は「iシリーズ」の名を冠したものになった。メモリは16GBまで搭載可能となった。評価が微妙なバタフライキーボードは第2世代となり、私のMacBook Proと同じものになった。サイズは変わらず…これこそ私が待ち望んだ「スーパーコンピュータ」だ!
しかし、その時の私には、心とともに傷付いたMacBook Proが手元にある。「稼いで買う」総心に決めたのだが、奇跡は翌日に起こった。
「その傷付いたPCは俺が使うから、新しいMacBook買ったら?」
天の声?いや、社長の声だ!
我が社の社長はこの時代にPCなしで5年も仕事をしていた。ある意味すごい!ただし、業務が複雑化し、見える化を進めていかなければならない中で、Excelで未来が見えることに気付いたのだ。私のMacBook Proは外装こそ傷ついたとは言え、昨年発売の特盛りMacBookである。今年でも最高スペックに近い。Proの名前の通り、驚くほどの重作業を軽々とこなす。これを社長に譲り、会ったらしいMacBookを手に入れる!
新しいMissionがスタートしたのだ!(つづく)
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