プロローグ
僕は計画を作る人であり、計画通りに進捗しているのか管理している人であり、さらに計画通りに行っていない時に何が原因なのか探る人であり、現場を修正したり計画を修正したりする人です。今回はスタートアップの会社が作る事業計画について考えてみます。上場企業となると少し異なるコンセプトになりますので、大きくは参考にならないかもしれません。でも知っておくと便利かな。
そもそも事業計画とは
平たく言うと、戦略から戦術を練り、それが財務諸表上にどのように反映されるのかをパラメーター化(どういう条件でどう変化するのかということね)し、それを積み上げて未来を予測するモノということです。多分これで過不足ないと思います。これに実績を対比させて予実対比(計画=予算となったとして、「予」算・「実」績・「対比」ということ)させることまで仕事として必要とされる部分です。
過去に事業計画について触れていますのでリンク貼ります。
僕が作る計画にはそもそもストレスがかかっている
僕が事業計画を作る時に「すべての戦略と戦術が上手くいったら可能な数字」にはしません。どんなストレスのかけ方をするかですけど、例えば売上がどんなものと感応するのかを考えます。それは景気だったり、消費志向だったり、心理思考だったりしますが、何らかのバックボーンがないといけません。一番良いのは実績です。それが市場の拡大だったり、購入者の拡大だったり、利用者の拡大だったりを想定して作りますが、これらにマイナスの期待収益率をかけてストレスにしています。ちょっと、これ以上は難解な言葉が増えてきそうなのでやめておきますが、要は「上手くいかなかったらこうなるけど大丈夫」という数値が出ることを期待しながら積み上げていくのです。実際に「だいじょばない」ことが大半です。するとパラメータを引き上げていくか、期待収益率をいじるわけですが、このとき「このぐらいいじりました」というのを覚えておく必要があります。
あくまで事業計画のスタートラインは100のチカラを発揮できない前提で作られるのです。
計画は100のチカラを前提にしていないけど、経営は100のチカラを出さんとダメでしょ
もう何も書くことがないほどの説得力です。つまり、経営というのは計画を超えるように頑張らないといけない。
ということは計画通りに進んでいるというのはふたつの可能性があります。
1.そもそも計画の作り方が間違ってる
2.100の力を出していない
これって両方ダメでしょ。実は計画に到達できなかったことだけが悪い事のように思われますが、実は計画通りも良くないのです。
1の計画の作り方が間違う可能性というのは熟練度が低いと起こりますが、まぁ30年ぐらいやっているとこの可能性は低い。ということは2なんです。
もう1回事業計画作成段階に戻ると
事業計画を作っていると、「こんなことが起こると計画通りになるなとか、計画に未達になるな」ということの想像ができます。これは重要な能力でこれがないと計画と実績を対比させた時に的確なアクションが起こせません。未達で「なんでだろう?」は想像の域を越えたことが起こっていることですから、よくない現象なのです。
つまりきちんとした対処を続けると計画を上回る
これが大事!!超大事!!!これ以上書くことがないぐらい大事!!!!
エピローグ
計画値は最低到達条件ぐらいの気持ちでかからないといけないと思います。僕から言うと「計画通り」にというのは手を抜いている証拠。
それと外部の利害関係者に「計画通りだ」と説明すると安心しますが、だからといって当事者が安心してはいけません。外部に説明すると安心するんですよ……困ったことにね(^^;「計画通り」ではダメな理由、ご理解いただけたでしょうか?
では、また次回!
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