学習塾に勤めていた経験
僕は学習塾に勤めていたことがあります。教える先生ではなくて、財務部員として働いていました。財務部員の仕事として大きなウェイトを占めているのが、金融機関向けのPR活動です。ということはお金の動きだけではなく、会社の動きや社会の動きを敏感に感じ取って自分の中で咀嚼しなければなりません。
そんな経験が活かされたお話です。
退職後にある方から相談を受けました。お嬢さんの進学問題です。財務部員ですがネタを仕入れていますので進学の相談は得意分野です。
お父さんのお悩みは、「娘のやりたいようにやらせたいが、その中に私立中学進学というのも入っている。女の子に私立中学進学までさせなければならないのだろうか?」ということでした。私から問いかけました。「その『まで』という線は誰が引こうとしている線なのでしょう?」お父さんは言います。「結婚したら、主婦になって勉強したことなんて無駄になってしまうのではないか。それなら、もっと体を動かして健康に育ってくれた方が幸せになれると思う?」つまり「まで」はお父さんが引こうとしている線でした。
僕からのアドバイス
僕からお話した内容は以下の通りですこう。
「私は50歳になりますが、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学で学んだことで無駄になったことは何一つありません。それは金融機関に在籍した経験や、財務という仕事に携わってきたという狭い話ではなく、普段の生活の中で豊かさを感じる糧になっています。今の仕事のほとんどは数列と偏微分方程式の考え方になりたっています。海外から来た人からの質問は日本のことで、歴史・言葉を学んでなければ答えられません。仕事に疲れた時に夜空を見上げて輝いている星は理科の知識がないと興味深く見ることができない。海外に行った時に何を喋りましょう?世界には沢山の言葉がありますがアルファベットに親しんでいないと芯から楽しめません。学んだことは何一つ無駄にはならない。それは社会人になっても、お嫁さんになっても、お母さんになってもです。お嬢さんが勉強したいというのであれば、そういうことをお父さんが理解して応援してあげた方がいいと思いますよ。」
みなさんも「もっと勉強しておけば良かった」と思うことがあるでしょう。
学んでいるときには分からないかも
これは学習塾に勤めていたから感じたのではなく、僕の実体験から感じていることです。本当は学んだことを活かすという意識も大事だと思うのですが、それを現在進行形で学んでいる学生に伝えるのは至難の技。今、学んでいる人は、それが未来にどう活きてくるのか分かりません。振り返って初めて気付くこともあるのです。僕たちはそれを体験しました。それを糧に次世代にチャンスを与える環境を作ることが、大人の役割だと思います。
では、また次回!
コメント