僕が考える裁量労働制


目次

プロローグ

裁量労働制について大きな話題となっています。国会の法案審議もあり、今朝のニュースでは野村不動産の社員が違法裁量労働制のもとで自殺しそれが労災認定されたとか。
恐らく僕はサラリーマンとして働きだしてから、ずっと裁量労働制を取っていると思います。もちろん現行法制下で定められているものとは別なものです。どういうことかというと、仕事の目標と給与が設定され決まった期限の中で仕上げること。
私なりにその期限は可能な限り1日8時間労働を前提として組み立てられていることになっていると解釈しています。ポイントは仕事の「目標」と「期限」のバランスを取りながら、報酬面で労使間で十分な話し合いが行われて合意に至ることだと思います。ということは裁量労働制に関して言えば、業務について精通している必要があります。仕事のボリュームと時間のバランスの予測をつけなければならないからです。これはなかなか高度な予測スキルが必要でしょう。


良いサイトがあった

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これを読めば終わり!と思ったんですけど、書き始めてしまったので最後まで書きます。


裁量労働制を壊しかねないもの:利害関係者のブラック要求

世の中で一番ブラックな要求をするのは銀行と公的機関だと思います。
銀行からの要求がどんな風にブラックなのかといいますと、銀行側の稟議スケジュールに合わせなければならないということです。気の利いた銀行マンだと、本部と十分に協議して事業会社側に伝えてくれるのですが、気が利いてないと「すみません。3日後が期限になりますので、この3つの資料をお願いします」と言ってきます。それも超過勤務をしてようやく提出可能なボリューム。融資が躓くと会社が躓いて、自分のキャリアにも泥が塗られるので必死にやり遂げます。だいたいこのケースが経営者と合意した裁量労働制の範囲外のことが多いですね。仕事の質的部分は範囲内であっても量的部分は完全に範囲外です。これを回避するためにはサラリーを高めに設定したうえで、裁量労働制の合意範囲を予め拡大しておく必要があると思うのです。
さて、次のブラック要求団体は公的機関。経験上で言えばお役所かな。何日後までに回答してくださいとか、準備してくださいという要求が来ます。厚生労働省系は余裕をもったスケジュールを言ってくれますが、お金に絡むお役所(ZやZやK)は超過勤務前提のスケジュールです。裏には債権者や投資家という第三者への信用不安を起こさないという社会的使命がありますので致し方ないとは思うのですが、それは経営の責任であって労働者の責任ではないことが大半です。


事業計画を作成するという労働を裁量労働制でシミュレーションしてみる

僕が介護事業所の事業計画を作ると多分3日だと思います。これに2日間の余裕を設けて5日で完成するでしょう。余裕とは頭をクリアにして見直す時間と修正する時間のことです。つまり8時間×5日間で40時間相当の仕事です、給料(報酬)は作るだけだと30万円ぐらいほしいかな。法定福利費を含めると34万円ぐらいでしょう。銀行交渉とか除いてです。フリーランスの仕事としては100万円……ノウハウの塊ですから、それが僕の頭の中から流出してしまうことを考えるとこのぐらいは最低もらっておかないと、将来ドンドンと食いっぱぐれていくので我慢してほしいところです。
さて、介護事業所の素人が作るとなるとどうなるでしょう。まず銀行が相手してくれないでしょうけど、それでもやらせてみましょう。収入構造・支出構造・資金の流れ・パラメータのとり方を考えると1ヶ月ぐらいかかりますでしょうか。その素人の彼に作らせて出来上がったとして給料は160時間×時給1,500円だとすると240,000円。法定福利費まで考えると27万円から28万円。僕が作成した時と報酬額は20%程度の開きがあります。裁量労働制としては(フリーランスでやる場合を除き、かつ素人君が1ヶ月で作れれば)、一般的に理にかなった数値だと思います。


僕が考える裁量労働制を整理してみる

1.仕事の目標に対するスキルが十分にあること
2.その目標に対するボリュームが時間予測が可能なこと。
3.突発的事項について随時合意が可能であること。
これで裁量労働制に移行して問題が無いと思います。職種で選ぶべきものではないと思います。

しかし、現行のもので見てみると、職種で分類されているようですね。(以下、Wikipediaより)
1.新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
2.情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であつてプログラムの設計の基本となるものをいう。(7)において同じ。)の分析又は設計の業務
3.新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は放送法(昭和25年法律第132号)第2条第4号に規定する放送番組若しくは有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(昭和26年法律第135号)第2条に規定する有線ラジオ放送若しくは有線テレビジョン放送法(昭和47年法律第114号)第2条第1項に規定する有線テレビジョン放送の放送番組(以下「放送番組」と総称する。)の制作のための取材若しくは編集の業務
4.衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
5.放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
6.広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務(いわゆるコピーライターの業務)
7.事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを活用するための方法に関する考案若しくは助言の業務(いわゆるシステムコンサルタントの業務)
8.建築物内における照明器具、家具等の配置に関する考案、表現又は助言の業務(いわゆるインテリアコーディネーターの業務)
9.ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
10.有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務(いわゆる証券アナリストの業務)
11.金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
12.学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る。)
13.公認会計士の業務
14.弁護士の業務
15.建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)の業務
16.不動産鑑定士の業務
17.弁理士の業務
18.税理士の業務
19.中小企業診断士の業務

労働時間の推計ができないものも含まれているように思います。
いっそのこと従来からの労働制とも裁量労働制ともちがうものを考え出さないといけないのではないかと思います。


しっかりとした裁量労働制を取ると人件費は増えるのでは?

事業計画を作るというシミュレーションで考えてみて予測できるのは、残業代は減るかもしれませんが賃金総額は増えるとということでしょう。素人と僕の報酬に10%の差が生じていることからも想像できます。もし、そうならなかったら労働者側に自分の総労働能力を計算する力が不足しているのではないでしょうか。 裁量労働である以上、労働者側がビタビタの時間計算をしないほうがいいのは自明の理です。


エピローグ

僕は裁量労働制に反対しているのではありません。むしろ賛成です。自分で好きな時間を要求し好きな単価を要求し、ワークライフバランスの主導権をしっかりと労働者側が取ることは僕の目指すものです。でもね……職種ではないと思うんですよね。今のままの議論では過酷な労働条件を経営側から押し付けられて心も体もボロボロになる人が続出する気がしてなりません。

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この記事を書いた人

チームワークを得意とする介護業界に勤めるサラリーマン。Macで仕事をしていますが、それだけでモチベーションが上がります。時々、山に登ります。コタローという名の保護猫を飼っています。ゆったりマイペースで参りますので、よろしくお願いします。

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